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BONJONOジャーナル

まちめぐりコラムVol.01

楽しみながら花壇の手入れ(新宮町「湊坂団地」)

2016.04.01

ガーデニングを楽しむ住宅地

湊坂団地は、1990年代に開発された戸建て住宅団地(550戸)である。当初から、「ガーデニングの街」をコンセプトにまちなみデザインがなされた。入居後には、多くの居住者が自分たちの手で花植えや小物の設置を楽しんでおり、花の咲き乱れる住宅地として近隣からの散歩の名所となっている。さらに、花植え好きの居住者らが集まって「湊坂フラワークラブ」が結成され会報の発行等を行っていた。

フラワークラブによる街路緑地の花植え

幹線道路の歩道には、街路樹の足元に92箇所の緑地が設けられ、公共による維持管理がなされていた。しかし、街中の個人庭と同レベルで公共が手入れすることは不可能である。そこで町と話し合い、フラワークラブが自主的にこの緑地を手入れすることになった。

楽しみながら街を育てる

当初は、年に2回、フラワークラブのメンバーの手によって全部の緑地に同じ花が一斉に植えられていた。しかし、参加者からは、「決められた花を植えても楽しくない」という不満の声も上がった。そこで92箇所の緑地それぞれの担当者を募集し、自由に花壇を作ってもらう仕組みへと変えた。現在では、それぞれ美しい花壇が競いあうように並ぶまちなみへと成熟している。さらに、同日に一斉植え替えを行うことで、花好きな人同士のコミュニケーションの機会となっていて、コミュニティが育まれている。

写真左:幹線を彩る花壇 / 写真右:花壇の一斉植え替え日の様子

柴田 建

筆者

柴田 建

1971年福岡市生まれ。2000年九州大学大学院博士課程修了。博士(工学)。日本(福岡、東京、沖縄等)および世界(カリフォルニア、上海、マニラ等)各地の住宅地をめぐり、地域住環境のマネジメントやコミュニティ主導の地域づくりについて研究・実践を行っている。

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