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BONJONOジャーナル

まちめぐりコラムvol.03

「小さな商い」への間貸し(鎌倉市大町「KAYA Gallery」)

2016.08.18

「KAYA Gallery」:住宅から若手の起業場所へ

東京に通勤するサラリーマンが多く居住している鎌倉大町に立地するこのシェアアトリエは、元は建売の戸建て住宅であった。オーナーの女性の主人も東京まで通勤するサラリーマンだったが、主人の退職を機に、一階で陶芸教室、更には喫茶店を開く。その後、主人との死別と子どもたちの巣立ちをきっかけに、2005年に若い人が作品を発表する場としてギャラリーを開設。
2010年には、居間を改修してカフェを開店する若い女性に貸した。さらに2012年には、建物全体を店舗として使いやすいように改修を行った。現在は、イタリアで修業した男性のイタリアンレストラン、人気のかご作家の営むアトリエ兼教室、東京で個展を開いていた女性の小物アトリエ・教室、マッサージ、オーナーの息子のNPOの拠点等が入居している。住宅オーナーの女性は、「30代は修業をして独り立ちする時期だから、支えてあげたい」という。
地域との交流
普段は、向かいの幼稚園の帰りがけの親子がデッキに座っておしゃべりする光景が見られる。また子ども御輿の際には、ここが皆でアイスクリームを食べる休憩ポイントとなっている。地域の人と若い店主たちとの交流もあり、小物アトリエの店内には幼稚園児が書いてくれた似顔絵が飾ってあった。

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写真左:住宅地内のコンバージョンによって生まれたカフェ / 写真右:外観

柴田 建

筆者

柴田 建

1971年福岡市生まれ。2000年九州大学大学院博士課程修了。博士(工学)。日本(福岡、東京、沖縄等)および世界(カリフォルニア、上海、マニラ等)各地の住宅地をめぐり、地域住環境のマネジメントやコミュニティ主導の地域づくりについて研究・実践を行っている。

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